Snow Manの「愛のせいで」を初めて聴いたとき、私はタイトルの絶妙さに心を奪われました。「愛のおかげで」でも「愛によって」でもなく、「愛のせいで」。この「せい」という言葉が持つ複雑なニュアンスに、この曲の全てが込められていると感じたんです。
普通「せい」は、何か悪いことの原因を示す言葉ですよね。でもこの曲では、戸惑い、涙、鼓動の高まり——そういう不安定で、コントロールできない感情の全てが「愛のせいで」起こっている。そしてそれは、決してネガティブなことじゃない。むしろ、人生を鮮やかに彩る奇跡なんです。
今回は、この繊細で温かい楽曲を、私なりの視点で深く読み解いていきたいと思います。
- 「全てがほら 君に出会えたから 鮮やかに光り放っている」
- 「一度傷ついてしまった心は」— 過去の傷跡
- 「愛なんて情けなくて 語れないよな」— 愛への複雑な感情
- 「未来なんて見えなくて 思い通りすすめなくて」— 不確かさの中で
- 「愛のせいで 戸惑ってしまうほどに」— 揺れる心
- 「君と僕の心合わせて今 新しい空を描こう」— 共創する未来
- 「この涙をもう隠さないよ」— 感情の解放
- 「指の間からこぼれ落ちてゆく」— 時間への焦り
- 「別々に見上げてた それぞれの夜空でも」— 孤独から繋がりへ
- 「背中合わせみてた夢もいつか 繋いだらひとつになるから」
- 「自分自身が新しく 生まれ変わるみたいさ」— 愛による変容
- 「君と僕の今日が 羽ばたく明日のつばさ」— 現在と未来の繋がり
- まとめ:「愛のせいで」が教えてくれること
「全てがほら 君に出会えたから 鮮やかに光り放っている」

冒頭から繰り返されるこのフレーズが、曲の核心を示しています。
モノクロからカラーへの変化
「鮮やかに光り放っている」という表現に、私は世界の見え方が変わった瞬間を感じます。恋をすると、本当に世界が違って見えるんですよね。
愛が変える世界の見え方:
- いつもの通勤路が美しく見える
- 何気ない日常に特別な意味を感じる
- 小さなことに幸せを見出せる
- 生きていることそのものが輝いて感じられる
「全てが」という言葉も重要です。何か特定のものではなく、「全て」。人生のあらゆる側面が、君に出会ったことで変わった。この包括性が、愛の持つ変容の力を物語っていると思います。
「一度傷ついてしまった心は」— 過去の傷跡
続く「一度傷ついてしまった心は 平気なふりしたって 臆病になっていたんだ」というフレーズで、主人公の背景が明かされます。
傷跡が残す「臆病さ」
| 傷つく前 | 傷ついた後 |
|---|---|
| 素直に愛せた | 臆病になった |
| 心を開けた | 防御的になった |
| 傷つくことを恐れなかった | 「平気なふり」をするようになった |
「平気なふりしたって」という部分が、本当にリアルだと私は思います。傷ついた人は、傷を隠そうとするんですよね。「もう大丈夫」「平気だよ」と言いながら、心の奥底では怖がっている。
この「臆病」という自己認識も切ないです。自分が臆病になっていることを、本人は気づいている。でも、それをコントロールできない。過去の傷は、そうやって現在の私たちを縛り続けるのだと思います。
「愛なんて情けなくて 語れないよな」— 愛への複雑な感情

「愛なんて情けなくて 語れないよな」
このフレーズに、私は胸が締め付けられました。
「情けない」と感じる理由
なぜ愛が「情けない」のでしょうか?
愛を語ることの難しさ:
- 弱さを見せることになる
- コントロールを失っていることの証明
- 傷つく可能性への恐れ
- 特に男性にとっての「強さ」との葛藤
私は、この「語れないよな」という呼びかけに、共感を求める孤独を感じます。一人じゃないよね、こう感じているの。みんな愛を語るのは難しいよね、と確認しているような。
でも、この曲全体が、まさに「愛を語る」歌なんですよね。「語れない」と言いながら、実は懸命に語ろうとしている。この矛盾が、人間らしくて美しいと思います。
「未来なんて見えなくて 思い通りすすめなくて」— 不確かさの中で

「未来なんて見えなくて 思い通りすすめなくて それでもいつだって君となら笑えた」
この「それでも」という逆接が、曲の重要な転換点です。
不完全さの中にある幸せ
人生は思い通りにはいきません。未来は見えません。でも——
「それでも」が示すもの:
- 完璧じゃなくていい
- 全てがうまくいかなくてもいい
- 確かなことが何もなくてもいい
- 君がいれば、笑える
私は、この「笑えた」という過去形にも注目しています。今この瞬間も笑っているし、過去も笑っていた。つまり、ずっと君といると笑えている。その継続性が、関係の強さを物語っているんですよね。
「愛のせいで 戸惑ってしまうほどに」— 揺れる心

サビに入ると、「愛のせいで」というフレーズが何度も繰り返されます。
「戸惑い」という正直な感情表現
恋愛ソングでは「幸せ」「嬉しい」といったポジティブな感情ばかりが歌われがちですが、この曲は「戸惑い」を正面から歌います。
戸惑いの正体:
- こんなに人を好きになっていいのか
- こんなに心を開いていいのか
- この幸せは本物なのか
- また傷つくんじゃないか
この不安定さこそが、愛の真実だと私は思います。愛は安定したものじゃない。常に揺れていて、戸惑っていて、それでも美しい。
「世界の色が急に 美しく輝きだすよ」
そして戸惑いながらも、世界は変わっていく。「急に」という言葉が、その変化の劇的さを表していますよね。
Before: モノトーンの世界
↓
君との出会い
↓
After: 色鮮やかな世界
この視覚的なイメージが、聴く人の心に鮮明に届きます。愛は、世界に色をつける魔法なんですよね。
「君と僕の心合わせて今 新しい空を描こう」— 共創する未来

「君と僕の心合わせて今 新しい空を描こう」
この「描こう」という能動的な表現に、希望を感じます。
二人で創る未来
「心を合わせる」が意味するもの:
- 別々の個人ではなく、協力する関係
- 互いの想いを理解し合う努力
- 調和とハーモニー
- でも、それぞれの個性は失わない
「新しい空」という比喩も美しいです。空は広大で、可能性に満ちている。そして、今までの空ではなく「新しい」空。二人だからこそ見える、二人だけの未来がある、というメッセージ。
「描こう」という提案形も温かいですよね。命令ではなく、誘い。一緒に創っていこうよ、という優しさが滲んでいます。
「この涙をもう隠さないよ」— 感情の解放

「愛のせいで とめどなく溢れてしまう この涙をもう隠さないよ」
この宣言に、私は大きな変化を感じます。
「隠さない」という勇気
| 過去の姿勢 | 現在の決意 |
|---|---|
| 平気なふりをしていた | もう隠さない |
| 強がっていた | 弱さを見せられる |
| 感情を抑えていた | 感情を解放する |
| 涙を恥じていた | 涙を受け入れる |
涙を流すことは、弱さの象徴とされがちです。特に「男性らしさ」が求められる文化の中では。でも、この曲は「もう隠さないよ」と宣言する。
私は、これが最も勇気のいる決断だと思います。傷ついた心が、もう一度開くこと。防御を解くこと。ありのままの自分を見せること。それが、愛がもたらす変化なんですよね。
「指の間からこぼれ落ちてゆく」— 時間への焦り
2番の「指の間からこぼれ落ちてゆく 時間は砂みたいで 焦りだけざらついてた」というフレーズも印象的です。
時間と焦りのメタファー
砂時計のように流れ去る時間。握りしめようとすればするほど、指の間からこぼれ落ちていく。この無力感、分かります。
焦りの正体:
- 幸せな時間が終わってしまうのではという恐れ
- 君を失うかもしれないという不安
- 過ぎ去る時間を止められない無力感
- 「今」を十分に生きられていない焦燥感
「ざらついてた」という触覚的な表現が、焦りの不快感をリアルに伝えていますよね。
「別々に見上げてた それぞれの夜空でも」— 孤独から繋がりへ

「ねぇぼくら それでも何かを掴みたくて 別々に見上げてた それぞれの夜空でも 見つけた光は同じだからさ」
このセクション、私は特に詩的で美しいと感じます。
出会う前の二人
出会う前、君と僕は別々の場所で、別々の夜空を見上げていた。それぞれが何かを探していた。そして——見つけた光が同じだった。
このメタファーが示すもの:
- 運命的な繋がり(同じ光を見ていた)
- 互いの孤独(別々だった過去)
- 共通の価値観や夢(同じものを求めていた)
- 出会うべくして出会った必然性
「気づかないうちに 未来が重なっていたね」という続くフレーズも素敵です。意識していなくても、二人の道は重なっていた。これは、愛の神秘性を表現していると思います。
「背中合わせみてた夢もいつか 繋いだらひとつになるから」

「背中合わせみてた夢もいつか 繋いだらひとつになるから」
この「背中合わせ」という表現が興味深いです。
別々だけど近い関係
背中合わせということは:
- 同じ場所にいる(近くにいる)
- でも見ている方向は違う(別々の夢)
- 互いを感じられる距離(繋がっている)
- 向き合っていないけど、離れてもいない
そして、その別々の夢が「繋いだらひとつになる」。これは、互いの個性を失わずに、でも共通の未来を創れる、という理想的な関係性の提示だと私は思います。
「自分自身が新しく 生まれ変わるみたいさ」— 愛による変容
「強がって抱え込んでた 変えられないと思ってた 自分自身が新しく 生まれ変わるみたいさ」
この部分で、曲のテーマが完成します。
愛がもたらす根本的な変化
愛は、相手を変えるだけじゃない。自分自身を変えるんですよね。
変容のプロセス:
強がっていた自分
↓
臆病を認める
↓
涙を隠さない
↓
「変えられない」という思い込みの解放
↓
新しい自分への生まれ変わり
「生まれ変わるみたいさ」という比喩が、変化の大きさを物語っています。少し変わったのではなく、根本から別人になるような変化。それが、愛の持つ力なんだと思います。
「君と僕の今日が 羽ばたく明日のつばさ」— 現在と未来の繋がり

「愛のせいで 君と僕の今日が 羽ばたく明日のつばさ」
この詩的な表現に、私は未来への希望を感じます。
今日という土台
「今日」が「明日のつばさ」になる——つまり、今この瞬間が、未来への推進力になる、ということ。
このメタファーの意味:
- 今を大切にすることの重要性
- 現在の積み重ねが未来を作る
- でも、その未来は自由に「羽ばたく」もの
- 制限ではなく、可能性としての未来
「どんな時も」という言葉も重要です。良い時だけじゃない。辛い時も、苦しい時も、君と僕の今日は、未来への力になる。その信頼が、愛の強さなんですよね。
まとめ:「愛のせいで」が教えてくれること
この曲を通して描かれるのは、愛による変容の物語です。
愛がもたらす変化の軌跡
- 過去の傷を抱えた臆病な心(出発点)
- 君との出会いによる世界の色彩化(変化の始まり)
- 戸惑いながらも感じる喜び(不安定な幸福)
- 涙を隠さない決意(弱さの受容)
- 別々だった夢の統合(二人の未来)
- 自分自身の生まれ変わり(根本的な変容)
「せい」という言葉の再定義
冒頭で述べたように、この曲の核心は「愛のせいで」という表現にあります。
| 一般的な「せい」 | この曲の「せい」 |
|---|---|
| 悪いことの原因 | 素晴らしいことの原因 |
| 責任の所在 | 感謝の対象 |
| ネガティブ | ポジティブ |
愛は私たちをコントロール不能にします。戸惑わせ、涙を流させ、心を揺さぶります。でも、その全てが「愛のせいで」起こる奇跡なんです。
最後に — あなたの世界は輝いていますか?
この曲を聴くたび、私は自分に問いかけます。私の世界は、鮮やかに光り放っているだろうか、と。
愛することは怖い。傷つくかもしれない。コントロールを失うかもしれない。でも、「愛のせいで」私たちは生まれ変わることができる。臆病だった心が、もう一度開くことができる。
Snow Manが歌うこの曲は、傷ついた全ての人への優しいメッセージだと、私は思います。もう一度愛していいんだよ、涙を隠さなくていいんだよ、と。
全てがほら、誰かに出会えたから、鮮やかに光り放っている。
あなたの人生も、そんな風に輝いていますように。


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