乃木坂46の『ビリヤニ』。この独特なタイトルを見たとき、あなたは何を感じましたか?
ビリヤニ——南アジアの炊き込みご飯。スパイスで味付けされた、香り高い料理です。でもこの曲は、料理の歌ではありません。
「好き」と言えない男の子が、勇気を振り絞って女の子をデートに誘う。でもその口実が「ビリヤニを食べに行こう」——しかも、自分もまだ食べたことがない。
この不完全さ、この不器用さこそが、この曲の最大の魅力なのだと、私は感じます。
「Wow Oh Oh Oh Oh Oh…ビリヤニ」
冒頭から、この独特な言葉が繰り返されます。その響きが、なんだか可愛らしく、でも少し滑稽で。それが、この曲の雰囲気を作っているのです。
- 「世の中いつだって 本音を言えぬまま 絶好のタイミング 逃す」という、誰もが経験する後悔
- 「交差点で解散して まさか君と僕だけ 同じ方向だ」という、訪れたチャンス
- 「好きと 好きと 好きと言えなくても」という、告白できない苦しさ
- 「ビリヤニ 食べに行こう 思わず 言った言葉」という、不完全な誘い文句
- 「『ビリヤニって何?』って 君に聞かれたって そうまるで見当もつかないよ」という、正直な無知
- 「行ってみたいって 興味を持ったから 君を誘ってよかった」という、成功への喜び
- 「そばに そばに そばにいられるだけで」という、純粋な想い
- 「強引な口実が驚きの結果オーライ!」という、予想外の成功
- 「バスマティライス 香辛料がいい香りだ」という、突然の詳細知識
- 「ビリヤニを食べれば恋が実るんだよ」という、最後の励まし
- タイトル『ビリヤニ』が示す、不完全な愛おしさ
- まとめ:完璧じゃない告白こそが、本物の勇気
「世の中いつだって 本音を言えぬまま 絶好のタイミング 逃す」という、誰もが経験する後悔

歌詞は、普遍的な状況描写から始まります。
「世の中いつだって 本音を言えぬまま 絶好のタイミング 逃(のが)す」
「本音を言えぬまま」——好きだと言えない。誘えない。その臆病さ。
「絶好のタイミング 逃す」——チャンスはあったのに、言えなかった。その後悔。
私は、この冒頭の二行に、多くの人が共感するのではないかと感じます。誰もが一度は経験したことがある、あの後悔。「あの時言えばよかった」という思い。
「カフェのメンバーは変わり映えなく 友達以上 なりようがないよ」
そして、グループでカフェにいる状況。「変わり映えなく」——いつものメンバー、いつもの関係性。
「友達以上 なりようがない」——この停滞感。好きなのに、友達のまま。進展しない関係。
「交差点で解散して まさか君と僕だけ 同じ方向だ」という、訪れたチャンス

そして、突然のチャンス。
「交差点で(It’s time) 解散して(Good bye) まさか君と僕だけ 同じ方向だ」
グループが解散する。そして、偶然にも「君と僕だけ 同じ方向」。
この「まさか」という言葉が、とても重要だと私は感じます。計画したわけではない。偶然。でもその偶然が、チャンスを生む。
「Jokeばかりで(Always) 終わらないように ほんの少しだけ 勇気をください」
いつもはジョークで誤魔化してしまう。でも今日は違う。「勇気をください」——この心の叫び。
私は、この「ほんの少しだけ」という控えめさが、リアルだと感じます。大きな勇気じゃなくていい。ほんの少しでいい。その正直さ。
「好きと 好きと 好きと言えなくても」という、告白できない苦しさ

そしてサビ前の、重要な心情吐露。
「好きと 好きと 好きと言えなくても (さりげなく伝わればいい)」
「好き」が三回繰り返される。でも「言えなくても」。この矛盾。心の中では何度も叫んでいるのに、口には出せない。
「さりげなく伝わればいい」——直接的に言えなくても、何かの形で伝わってほしい。その切実な願い。
「来週のどこか空いてる日はないか? (僕は合わせられる)」
そして、デートの誘いを考える。「どこか空いてる日は」——具体的な日を指定しない。相手の都合を優先する優しさ。
「僕は合わせられる」——この一方的な歩み寄り。好きだから、相手に合わせたい。その健気さ。
「ビリヤニ 食べに行こう 思わず 言った言葉」という、不完全な誘い文句

そして、この曲の核心——サビが来ます。
「ビリヤニ 食べに行こう 思わず 言った言葉 SNSで昨日知った情報」
「思わず 言った」——計画的ではなく、思わず。準備不足のまま、口から出てしまった言葉。
「SNSで昨日知った情報」——つまり、にわか知識。昨日知ったばかり。深い知識があるわけではない。
私は、この不完全さが、この曲の最大の魅力だと感じます。完璧な準備をして、スマートに誘うのではなく、付け焼き刃の知識で、不器用に誘う。その人間らしさ。
「デートに誘うのに唐突すぎたかな 受け売りのビリヤニ」
そして、誘った後の不安。「唐突すぎたかな」——自分でも分かっている。急すぎた、と。
「受け売りのビリヤニ」——自分のオリジナルではない、借り物の知識。その自覚。
「Yeah Yeah Yeah 本当は Yeah Yeah Yeah Yeah Yeah 僕もまだ食べたことないんだ 美味しいって噂らしいけど Wanna go eat?」
そして、最も重要な告白。「僕もまだ食べたことないんだ」。
これが、この曲の核心です。自分も知らないもので、相手を誘う。その無謀さ、その不完全さ。
でも私は、ここに深い愛おしさを感じます。完璧じゃないからこそ、本気が伝わる。スマートに誘えないほど、緊張している。その気持ちが、透けて見えるのです。
「『ビリヤニって何?』って 君に聞かれたって そうまるで見当もつかないよ」という、正直な無知

そして、予想される質問への答え。
「『ビリヤニって何?』って 君に聞かれたって そうまるで見当もつかないよ」
質問されたらどうしよう——その不安。そして正直な告白。「まるで見当もつかない」。
「こっそり調べたら インド料理で 炊き込みご飯のようなものだって…」
そして慌てて調べる。「こっそり」——この副詞が、可愛らしいと私は感じます。バレないように、必死に調べる姿。
「炊き込みご飯のようなもの」——この曖昧な説明。専門的な知識ではなく、ざっくりとした理解。でもそれでいい。完璧じゃなくていい。
「行ってみたいって 興味を持ったから 君を誘ってよかった」という、成功への喜び

そして、奇跡が起こります。
「行ってみたいって(You say) 興味を持ったから(Sounds good!) 君を誘ってよかった」
「行ってみたい」——君が興味を持ってくれた。不完全な誘いが、成功した。
「君を誘ってよかった」——この安堵と喜び。勇気を出してよかった。
「先に一度食べておかなきゃね(Oh yes) そして偉そうにあれこれと蘊蓄(うんちく)垂れたいよ」
そして新たな計画。デートの前に、一度食べておこう。そして「偉そうに蘊蓄垂れたい」。
私は、この「偉そうに」という自覚が、微笑ましいと感じます。知ったかぶりをしたい。格好つけたい。でもそれを「偉そうに」と自分で言ってしまう。その自己認識。
「そばに そばに そばにいられるだけで」という、純粋な想い

そして、本音が漏れます。
「そばに そばに そばにいられるだけで (僕は幸せになれる) 約束した日が来るのが 今から楽しみだ (もう待ちきれない)」
「そばにいられるだけで」——これが本当の気持ち。ビリヤニはきっかけに過ぎない。大事なのは、君と一緒にいられること。
「もう待ちきれない」——デートが決まってから、実際の日までの時間が、長くて長くて。その焦燥感。
私は、この純粋さに心を打たれます。計算や戦略ではなく、ただ好きな人と一緒にいたい。そのシンプルな想い。
「強引な口実が驚きの結果オーライ!」という、予想外の成功

そして、状況への驚き。
「ビリヤニ 最高だよ 南アジアの味 なぜか僕はピンと来たんだ 強引な口実が驚きの結果オーライ!」
「強引な口実」——自分でも分かっている。強引だった、と。でも「驚きの結果オーライ!」——成功した。
「なぜか僕はピンと来たんだ」——この自己分析。なぜビリヤニだったのか、自分でもよく分からない。でも、ピンと来た。その直感。
「夢なら覚めるな Yeah Yeah Yeah 世界中 Yeah Yeah Yeah Yeah Yeah 人気なのか!」
そして、ビリヤニへの感謝(?)。「夢なら覚めるな」——この状況が信じられない。
「世界中 人気なのか!」——ビリヤニが世界中で人気だと知って、自分の選択が間違いではなかったと安心する。その後付けの正当化。
「バスマティライス 香辛料がいい香りだ」という、突然の詳細知識
そして、突然の詳細情報。
「バスマティライス バスマティライス バスマティライス 香辛料がいい香りだ サフラン、クミン、カルダモン、シナモン、クローブにターメリック…」
「バスマティライス」——ビリヤニに使われる長粒米。その名前を三回も繰り返す。
そしてスパイスの列挙——サフラン、クミン、カルダモン、シナモン、クローブ、ターメリック。
私は、この急な詳細知識の披露に、笑ってしまいます。デートまでの間に、必死に調べたのでしょう。「偉そうに蘊蓄垂れたい」という願望の実現。
でもこの一生懸命さが、とても愛おしいのです。
「ビリヤニを食べれば恋が実るんだよ」という、最後の励まし

そして、曲の最後に、リスナーへのメッセージ。
「ビリヤニを食べれば(恋が実るんだよ) 騙されたと思って(好きな人 誘ってごらん) ビリヤニの魅力で(想いは通じるよ) 僕は心から叫ぶ ビリヤニ」
もちろん、これは冗談です。ビリヤニに魔法の力があるわけではない。
でもこの曲が伝えたいのは、「完璧じゃなくていい」「不器用でもいい」「とにかく勇気を出して誘ってみよう」ということ。
ビリヤニは、ただのきっかけ。口実。でもその口実のおかげで、勇気が出た。だから、「ビリヤニ最高!」なのです。
タイトル『ビリヤニ』が示す、不完全な愛おしさ

最後に、もう一度タイトルについて考えてみましょう。
『ビリヤニ』——なぜ、この料理なのか?
おそらく、あまり知られていない料理だからです。誰もが知っている料理ではない。だから、不完全な知識でも、なんとかなる。
もしこれが「寿司」だったら、相手も詳しいかもしれない。「イタリアン」だったら、ありふれている。
でも「ビリヤニ」なら、相手も知らないかもしれない。一緒に新しいものを体験できる。その対等性。
そして何より、この言葉の響きが、なんとも言えず可愛らしい。「ビリヤニ」——その音の連なりが、不器用な恋の始まりを象徴しているように感じるのです。
まとめ:完璧じゃない告白こそが、本物の勇気

今回は、乃木坂46の『ビリヤニ』の歌詞に込められた想いを考察してきました。最後に、この記事のポイントをまとめてみましょう。
本音を言えない普遍性 「好きと言えなくても」——誰もが経験する、告白できない苦しさ。
偶然のチャンス 「まさか君と僕だけ 同じ方向だ」——訪れた、二人きりの機会。
不完全な誘い文句 「SNSで昨日知った情報」——付け焼き刃の知識で誘う勇気。
自分も知らないという正直さ 「僕もまだ食べたことないんだ」——完璧じゃないからこその愛おしさ。
必死に調べる一生懸命さ スパイスの名前まで覚える——デートへの準備。
本当の目的 「そばにいられるだけで」——ビリヤニは口実、大事なのは君と一緒にいること。
不器用な成功 「強引な口実が驚きの結果オーライ!」——予想外にうまくいった喜び。
『ビリヤニ』は、不完全な告白の歌です。スマートではない。完璧でもない。でも、だからこそ本気が伝わる。
「ビリヤニを食べに行こう」——この一言を言うために、どれだけ勇気が必要だったか。どれだけ緊張したか。その不器用さが、愛おしいのです。
完璧に準備して、スマートに誘う——それも素敵です。でも、不完全なまま、思わず口にしてしまった言葉——それもまた、本物の勇気の形なのだと、この曲は教えてくれます。
あなたも、「ビリヤニ」を探してみませんか?それは料理の名前である必要はありません。あなたなりの、不完全でも勇気を出せる、そんなきっかけ。
「騙されたと思って 好きな人 誘ってごらん」——この曲の最後のメッセージが、背中を押してくれるはずです。完璧じゃなくていい。ビリヤニを知らなくてもいい。ただ、勇気を出して。その一歩が、物語の始まりなのですから。


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