NiziUの『Emotion』。この曲のタイトルを見たとき、あなたは何を感じましたか?
「Emotion」——感情。人間の最も根源的で、アナログな部分。でもこの曲が描くのは、SNS、DM、Story、Post——徹底的にデジタルな世界での恋愛です。
デジタルな手段を使いながら、でも求めているのは本物の「Emotion」。その対比が、この曲の核心なのだと、私は感じます。
「It’s our storyline 本命はDMより、むしろStoryが戦場」
冒頭から、現代的な恋愛の舞台設定が示されます。「storyline」——物語の筋書き。そして「DMより、むしろStoryが戦場」。
InstagramなどのSNSでは、DMは直接的なコミュニケーション。でも「Story」——24時間で消える投稿——の方が「戦場」だと。なぜなら、そこでの匂わせや、さりげないアピールが、恋の駆け引きの主戦場だからです。
- 「ハート掴めばWinner Let’s begin the game」という、恋愛ゲーム
- 「最初は使わないText カフェのマグカップで匂わせ」という、高度な戦略
- 「でもBGMにはYour favorite song 忘れずにTurn on」という、本当の想い
- 「そろそろ運命感じ出した君はCall me up Don’t pick it up あと3分焦らして」という、最終段階
- 「24時間のMagic With you, youならこんなdramatic」という、期間限定の特別さ
- 「ヒューヒュー聞こえ出すBlessings Love is everywhere」という、周囲の祝福
- 「午後9時に、君から届いたメッセージ ルーティンになればWinner」という、習慣化の戦略
- 「ちゃんと見てたよね?本当はたった一人だけのために投げたPost」という、本音の告白
- 「突然君がPost 私が写ってるの #favoriteviewって もしかして」という、関係の進展
- タイトル『Emotion』が示す、デジタルの先にある本物の感情
- まとめ:SNS時代の恋愛と、変わらない本質
「ハート掴めばWinner Let’s begin the game」という、恋愛ゲーム

そして、恋愛が「ゲーム」として定義されます。
「ハート掴めばWinner Let’s begin the game」
相手のハート(心)を掴めば勝ち。つまり、これはゲームなのだと。
私は、この「ゲーム」という表現に、現代の恋愛観を感じます。純粋に感情だけで動くのではなく、戦略的に、計算して動く。それが現代の、特にSNS時代の恋愛なのだと。
でも同時に、「ゲーム」と割り切ることで、傷つくことから自分を守っているようにも見えます。本気になりすぎない。遊び感覚で。その距離感が、「Let’s begin the game」という言葉に込められているのです。
「最初は使わないText カフェのマグカップで匂わせ」という、高度な戦略

そして、具体的な戦略が次々と描かれます。
「最初は使わないText カフェのマグカップで匂わせ」
「最初は使わないText」——テキスト(文字)では直接的に伝えない。その代わりに、写真で「匂わせる」。
「カフェのマグカップ」——二つのカップが写った写真。誰かと一緒にいることを、直接言わずに示唆する。この間接的なアプローチが、「匂わせ」の本質です。
「『誰といるの』って君のコメント あえて既読スルー わざと #I’m so bored」
そして相手からの反応。「誰といるの」というコメント——つまり、戦略は成功している。気にしている。
でも「あえて既読スルー」——すぐには返さない。焦らす。そして「わざと #I’m so bored」——退屈だとハッシュタグをつける。つまり、特別な相手と一緒ではない、という演出。
私は、この一連の戦略に、とても現代的な恋愛の駆け引きを感じます。直接的ではなく、間接的に。すぐには応えず、焦らす。SNSという舞台での、高度な心理戦なのです。
「でもBGMにはYour favorite song 忘れずにTurn on」という、本当の想い

でも、次の行で、本音が漏れます。
「でもBGMにはYour favorite song 忘れずにTurn on」
表面的には退屈なふりをしているけれど、BGMには「君の好きな曲」を選ぶ。その細やかな配慮。
私は、ここにこの曲の温かさを感じます。ゲームであり、戦略ではあるけれど、でも本当に好きだからこそ、相手の好きなものを覚えている。気づいてもらえるかどうか分からなくても、そういう小さな愛情表現をする。
その矛盾——冷静に戦略を練りながら、でも温かい感情も持っている——が、リアルな恋愛なのです。
「そろそろ運命感じ出した君はCall me up Don’t pick it up あと3分焦らして」という、最終段階

そして、戦略が成功に近づきます。
「そろそろ運命感じ出した君はCall me up Don’t pick it up あと3分焦らして」
相手が「運命」を感じ始めた——つまり、自分から電話をかけてくる。でも「Don’t pick it up あと3分焦らして」。
すぐには出ない。あと3分待つ。この「3分」という具体的な数字が、リアリティを生んでいます。適度に焦らす時間。長すぎず、短すぎず。
「I’ll call you……なんてStoryline」
そして最後は自分から電話をかけ直す。「なんてStoryline」——まるで台本があるかのような、計算された展開。
私は、この「なんてStoryline」という言葉に、自己認識を感じます。自分がやっていることが、まるで脚本通りのドラマのようだ、という客観的な視点。計算しているのは自分なのに、まるで他人事のように語る。その距離感が、面白いと同時に、ちょっと寂しくもあります。
「24時間のMagic With you, youならこんなdramatic」という、期間限定の特別さ

そしてサビ。
「24時間のMagic With you, youならこんなdramatic」
「24時間のMagic」——これは、Storyの投稿期間を指しているのでしょう。24時間で消える投稿。その儚さが、かえって特別さを生む。
「With you, youならこんなdramatic」——君とならドラマチック。つまり、相手次第で、日常が特別になる。
「偶然か必然どっちだっていいでしょ? It’s our storyline」
そして重要な一行。「偶然か必然どっちだっていい」。
計算された出会いなのか、運命の出会いなのか——その区別は、もはやどうでもいい。大事なのは、「It’s our storyline」——私たちの物語だということ。
私は、この開き直りのような肯定に、現代的な恋愛観を感じます。純粋な偶然の出会いなんて、もうないかもしれない。すべてが多少は計算されているかもしれない。でもそれでいい。大事なのは、結果として二人の物語になることだから。
「ヒューヒュー聞こえ出すBlessings Love is everywhere」という、周囲の祝福

そして、周囲の反応が描かれます。
「ヒューヒュー聞こえ出すBlessings Love is everywhere」
「ヒューヒュー」——口笛、囃し立てる声。周りの人たちが、二人の関係に気づき、祝福している。
「Love is everywhere」——愛はどこにでもある。SNSの世界でも、リアルの世界でも。その境界がなくなっている。
「君のOne tap次第の甘い未来 Ah 消えないでね It’s our storyline」
そして「One tap」——一回のタップ。「いいね」を押すか、フォローするか、メッセージを送るか。その一つの行動で、未来が決まる。
「消えないでね」——この願いが、切ないと私は感じます。Storyは24時間で消える。でも、この関係は消えないでほしい。デジタルな世界の儚さと、永続を願う気持ちの対比。
「午後9時に、君から届いたメッセージ ルーティンになればWinner」という、習慣化の戦略

二番では、さらに進んだ段階が描かれます。
「午後9時に、君から届いたメッセージ ルーティンになればWinner」
「午後9時」という具体的な時間。そして「ルーティンになれば」——習慣になれば勝ち。
私は、この「ルーティン」という言葉に、恋愛の深化を感じます。最初は戦略的に、計算して動いていた。でも、それが習慣になる。つまり、考えなくても自然にメッセージを送り合うようになる。それが、恋愛の進展なのです。
「即レスして眠る前に君の脳内へと忍び込めば 夢の中でまた会えるわ And make that dreams come true」
「即レス」——即座に返信。もう焦らさない。この段階では、素直に、すぐに返す。
そして「眠る前に君の脳内へと忍び込めば」——寝る前の最後のメッセージを送ることで、相手の頭の中に残る。そして「夢の中でまた会える」。
「And make that dreams come true」——夢を現実にする。デジタルでのやり取りを、リアルな関係に発展させる。その意志。
「ちゃんと見てたよね?本当はたった一人だけのために投げたPost」という、本音の告白

そして、重要な告白が続きます。
「ちゃんと見てたよね? 本当はたった一人だけのために投げたPost」
表面的には、誰に向けてかわからないような投稿。でも「本当はたった一人だけのために」——君だけに向けて。
この告白が、とても切ないと私は感じます。多くの人が見るSNSで、でも本当は一人だけに向けて発信している。その一人が気づいてくれるかどうか、ドキドキしながら。
「数より君 足跡の中Search your name 見つけた瞬間始まるFairytale」
「数より君」——何人が見てくれたかではなく、君が見てくれたかどうか。
「足跡の中Search your name」——閲覧者リストの中から、君の名前を探す。そして「見つけた瞬間始まるFairytale」——おとぎ話が始まる。
私は、この描写にとてもリアリティを感じます。SNS時代の恋愛で、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。たくさんの反応よりも、特定の一人の反応を待っている。その気持ち。
「突然君がPost 私が写ってるの #favoriteviewって もしかして」という、関係の進展

そして、最後に関係が大きく進展します。
「まだ終わらない君を想うSleepless night 突然君がPost 私が写ってるの」
眠れない夜。君のことを考えている。そこに、突然の投稿。そこには「私が写ってる」。
「夕方、帰り道のView 後ろ姿のMe #favoriteviewって もしかして」
帰り道の景色。私の後ろ姿。そして「#favoriteview」——お気に入りの景色。
「もしかして」——この一言に、すべての期待と不安が込められています。「#favoriteview」は景色のことではなく、私のことを指しているのではないか?その期待。
私は、この展開に、ドラマチックな展開を感じます。今まで自分が仕掛けていた側だったのに、相手から仕掛けられる。そして、自分が「favorite」だと匂わされる。その逆転が、物語を盛り上げるのです。
タイトル『Emotion』が示す、デジタルの先にある本物の感情

最後に、もう一度タイトルについて考えてみましょう。
『Emotion』——感情。
この曲は、徹底的に戦略的で、計算された恋愛を描いています。ゲーム、戦場、戦略——そんな言葉が並びます。
でも、タイトルは「Emotion」。戦略ではなく、感情。
私は、ここにこの曲のメッセージがあると感じます。
SNSを使った恋愛は、確かに戦略的で、ゲーム的です。でも、その奥には本物の感情がある。「君のお気に入りの曲を選ぶ」「たった一人のために投稿する」「眠れない夜」——そこには、計算では測れない、本物の「Emotion」があるのです。
「君へのEmotionは終わらない 24 hours and more」
最後のこの一行が、すべてを物語っています。24時間で消えるStoryではなく、それ以上続く、終わらないEmotion。
デジタルな手段を使っても、結局求めているのは、アナログな、本物の感情。それが、この曲の真実なのです。
まとめ:SNS時代の恋愛と、変わらない本質

今回は、NiziUの『Emotion』の歌詞に込められた想いを考察してきました。最後に、この記事のポイントをまとめてみましょう。
SNSが主戦場 DMではなく、Storyが戦場。匂わせ、既読スルー、投稿のタイミング——すべてが戦略。
恋愛をゲームとして捉える 「ハート掴めばWinner」——距離を保ちながら、戦略的に動く現代の恋愛観。
計算の中にある本物の想い 「君のお気に入りの曲」を選ぶ——戦略的でも、本当の愛情は隠せない。
「たった一人のため」の投稿 多くの人に向けた投稿のように見えて、実は一人だけを見ている切なさ。
24時間の儚さと、永遠への願い Storyは消えても、「Emotionは終わらない」——デジタルとアナログの対比。
「偶然か必然どっちだっていい」 計算された出会いでも、結果として「our storyline」になればいい、という開き直り。
最終的には「Emotion」 戦略やゲームの言葉で始まっても、最後は本物の感情に辿り着く。
『Emotion』は、SNS時代の恋愛を描きながら、でも恋愛の本質は変わらないことを示している曲です。
手段は変わった。DMやStory、投稿や「いいね」——デジタルなツールを使う。でも、相手のことを考えて眠れなくなったり、相手の反応にドキドキしたり、一人のためだけに何かをしたり——その感情は、昔から変わらない。
「君へのEmotionは終わらない」——この一行が、すべてを語っています。デジタルな世界でも、アナログな世界でも、本物の感情は終わらない。変わらない。
あなたも、誰かのために「たった一人のため」の投稿をしたことがありますか?閲覧者リストの中から、特定の名前を探したことは?もしあるなら、それが「Emotion」なのです。デジタルな手段を使っていても、その奥にある感情は、本物なのですから。


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