
かつて日本の音楽シーンを席巻した人気バンドMrs. GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル)。その中でも唯一無二の存在感を放っていたのが、紅一点のドラマー、山中綾華(やまなか あやか)さんです。
音楽番組やライブでの圧巻のパフォーマンスに魅了されたファンも多かったはず。しかし、2020年の突然の活動休止、そして2021年の脱退発表に衝撃を受けた人も少なくありません。
「なぜ脱退したのか?」
「今どうしているのか?」
「バンドへの未練はないのか?」
その後、姿を消すようにメディア露出が減った彼女に、今、再び注目が集まっています。なんと、彼女が選んだ新たな道は──**社会保険労務士(社労士)**という、まったく異なる世界だったのです。
これは単なる転職話ではありません。音楽を愛し、すべてをかけていた女性が、なぜまったく違う人生を選んだのか。その裏には、想像を超える決断と、泥臭い努力、そして静かな覚悟がありました。
バンド脱退の裏にあった「燃え尽き」と「限界」
山中綾華さんは、Mrs. GREEN APPLEの初期からのメンバーとして、音楽を支え続けた立役者のひとりです。ライブで見せる力強いドラムさばきと、ナチュラルな笑顔。多くのファンにとって“癒し”であり“象徴”のような存在でした。
そんな彼女が脱退を選んだのは、バンドの方向性の違いや新たな夢といった表向きの理由だけではなかったようです。
実際には、精神的・肉体的な限界がすでに見えていたといいます。
- 毎日のようなリハーサル
- 長距離移動とツアー生活
- 常にSNSの目にさらされるプレッシャー
一見華やかに見えるアーティストの裏には、**想像を絶する“消耗”**があったのです。
「音楽が嫌いになったわけじゃない。でも、このまま続けていたら、自分を見失ってしまう気がした」
(※関係者談)
一切の音楽活動を断ち、社労士を目指す決断
脱退後、山中さんはしばらくの間、ほとんど表に出ることはありませんでした。「燃え尽き症候群」のような状態になっていた時期もあったようです。
そんな中、彼女が出会ったのが「社会保険労務士」という存在。
最初は、知人から紹介された本を読んだことがきっかけだったそうですが、読み進めるうちに「人を支える」「働き方を変える」という考えに強く共感。自分が今までバンドでやってきたこととは真逆のようでいて、**“根本は同じ”**だと感じたといいます。
「音楽では感情を通して人を癒す。社労士では制度を通して人の人生を支える。やり方は違っても、目指しているものは変わらなかったんです」
そう語った彼女は、すべての音楽活動を一旦停止。1から勉強を始め、社労士という国家資格に挑む決意を固めました。
1回目の受験で不合格──涙の中で誓った再挑戦
社労士試験は、年1回のみ。合格率はたったの6%前後。労働法、社会保険、年金制度など、膨大な知識量が求められる超難関資格です。
初めて受けた試験では、あえなく不合格。彼女のSNS更新も止まり、一部では「やっぱり現実は甘くなかった」「戻ってくるのでは?」という声もありました。
しかし彼女は、再び立ち上がります。
その後、実務経験を積むために社労士事務所にアルバイトとして勤務。毎日8時間の仕事をこなしながら、夜に数時間の勉強を続ける生活へ。
そして、2度目の挑戦で──見事に合格。
「誰も見ていない場所で、自分を信じ続けられるかどうか。それが一番しんどかった」
(※本人談)
まさに、バンド時代と同じ“地道な積み重ね”が、彼女を再びステージに立たせたのです。
音楽と社労士、2つの顔を持つ“今”の山中綾華
現在、彼女は都内の社労士事務所で正社員として勤務しながら、副業的に音楽活動も再開しているとのこと。
- 就業規則の作成
- 社会保険の手続き代行
- メンタルヘルス研修の補佐
など、社労士として実務をこなしつつ、プライベートでは小規模ライブへの出演や音楽仲間とのセッションも。
つまり、彼女は「音楽を捨てた」のではなく、「自分らしい形で音楽と向き合う方法を見つけた」のです。
バンドへの嫉妬は?成功をどう見ているのか?
さて、気になるのは現在のMrs. GREEN APPLEに対する思い。
脱退後もバンドは快進撃を続け、「ケセラセラ」や「Soranji」などヒット曲を連発。2023年には紅白歌合戦にも出場し、その人気は衰えることを知りません。
嫉妬していないのか? 悔しくないのか?
この点について彼女は、はっきりと公には語っていません。
しかし、関係者によれば…
「確かに複雑な感情がゼロではないと思う。でも、彼女は自分の選んだ道に誇りを持ってるから、過去を振り返ることはあまりしないタイプ」
とのこと。
つまり、過去の自分も、バンドも否定しない。だけど、今の自分に集中している──それが、彼女の本音なのかもしれません。
まとめ|「夢は変わってもいい」その背中が教えてくれたこと
人生において、夢を変えることは“逃げ”ではありません。むしろ、**変える勇気こそが“本当の強さ”**なのだと、山中綾華さんの生き方が教えてくれます。
音楽という夢に区切りをつけ、誰にも気づかれない場所で歯を食いしばり、再び“人を支える仕事”に立ち上がった彼女。
その姿は、今まさに自分の道に悩んでいる誰かの光になるはずです。
「夢はひとつじゃなくていい。何度でも、自分らしく生き直せばいい」
──そう、彼女の背中が語っているように思えてなりません。
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