朝顔
夏になると見かける朝顔ですが、原産地は中国で「牽牛子(けんごし)」と呼ばれていました。
種に下剤の効果があり貴重な薬用植物で、牽牛(けんご)、つまり「牛と交換」できるほど高価でした。
日本に朝顔が伝わったのは奈良時代とされ、遣唐使が種子を持ち帰ったのが初めではないかという説もあります。
江戸時代になると、下谷(現在の台東区)で、火事でできた空き地を利用して植木職人が朝顔を育てるようになり朝顔は注目を集めます。
特に「変化朝顔」という八重咲などの変わった朝顔は江戸で人気を博しました。収入の低い下級武士たちが内職して品種改良していたようです。
朝になると開くという意味で朝顔と名付けられたようです。しかし、植物学者の研究によると、朝顔は暗闇を感じてから約10時間経過したら開花することが分かっています。品種にもよりますが日没が遅い真夏にはやや遅い朝に開花し、日没が早くなる秋頃には早朝に開花します。
ツボミをつけた朝顔に照明をあてつづけて、暗闇がない状態で育て続けると、ツボミは大きく成長しますが開花しないという研究報告もあります。
身近な植物ですが、開花に暗闇が必要なことはあまり知られていないようです。
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